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Eljudnir ~エルヴィドネル

徒然なるままに、日暮らし、PCに向かひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
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一ヶ月くらい前に見た夢。たまにはノベライズでなく、夢日記風に書いてみる(夢日記なのだから、「風」も何もないのだが)。

明け方に目が覚めて、子供二人が隣で息をしているのを慌てて確認した。その後、布団の上で声を殺して泣いた。夢を見た後、夢の中の焦燥感や悲哀があっけなく冷めることがあるけれど、子供のこととなるとそうは行かないようで、今思い出しても簡単に泣ける。

こういう夢を見たからといって、何か精神的におかしいとかいうことはないんですけどね、経験上。変な夢を見るときは見るし、見ないときは見ない。



私は自分が私ではない夢をよく見るが、今回は珍しく私だった。子供二人も子供で、旦那も旦那だった。


子供が二人とも殺された。犯人は「お前の子供たちを今殺した」と言い残して去った後だった。絶望のようなものを感じたが信じたくない気持ちの方が強く、何故か私は洗濯を干さなくちゃ、だの、明日の準備をしなきゃ、と言って、子供を探すでも警察に連絡するでもなく、日常を過ごそうとしていた。

家族は今の家族そのままだったが、家はやたらに大きな豪邸だった。煉瓦造りで、広い道に面していた。

その内、長男の友達たちが遊びに来た。友達といっても見た感じ女子中高生で、男子小学生である長男の友達であるわけはなかったが、私は友達だと認識した。彼女たちは6、7人でゾロゾロとウチへ来るなり、「長男君、いないんだって?次男君は?」と聞いてきた。

私は青ざめた。どうしてそれを知っているんだろう。『殺されたとバレたら、本当に死んでしまう』。死というものは他人からの認識に過ぎない。誤魔化さなければ。

私が答えられずにオロオロしていると、彼女たちは口々に「あっちにいるかもしれないね」「まだ学校終わったばかりだし」と言いながら、どこかへ去っていった。

ふと見ると、旦那が出かける身支度を整えていた。「お祭りへ行こう」と言う。そうだ、今日はお祭りがあるんだった。じゃあ、洗濯物を取り込んでからにしないと。私はそんなことを考えたが、子供のことが頭から離れない。今、どこにいるんだろう。死んでいるのだとしても、見つけてあげなきゃ可哀そうじゃないか。二人はもう動けなくて、殺されてしまったことを知っているのは私たちだけなのだから、私たちだけのうのうとお祭りに行っていいわけがない。

「二人を探そう」と、私は言った。旦那も頷いた。

探すまでもなく、二人はすぐに見つかった。いつもはガレージの中に停めてある黒のVOXY(ウチの車種ではないが、自分の車だと分かった)が、ガレージの前に出ていて、その後部座席に二人仲良く寄り添って倒れていた。顔は血だらけだったが、体には毛布が掛けられていてどうなっているのか分からなかった。

血を見て、私は、やっぱり殺されていたんだ、と思った。それまでその事実が真実であると確認していなかったのに、でも何故かそれが事実であると知っていたのに、どうしても信じていなかったんだろう。でも、やっぱり本当だったんだ、あの犯人の言ったことは嘘ではなかったんだ、と。

私は車のドアを開けるのをためらった。開けたらきっと血の匂いがするだろう。車の座席はどうなっているのだろうか。まったく重要ではないと思うことばかりが頭を巡る。

そうやって立ち尽くしていると、不意に二人がパチリと目を開けた。こちらを向いて「ママ!」と嬉しそうに言い、起き上がって長男がドアを開ける。二人は元気に車から飛び出してきた。何故か毛布は体にうまく巻き付いて落ちてこない。

あぁ、この子たちは、自分が死んだことを分かってないんだ。だから無邪気にも動けるんだ。この子たちに、もう死んでしまったんだということを伝えてはいけない。そうしたら、二度と動けなくなる。でも、しかし、この子たちは死んでいる。生きているわけではない。そうやって誤魔化して、どこまで一緒にいられるのだろう。

私が葛藤していると突然「あ、長男君いたんだ!よかったー」と女子中高生たちが帰ってきた。「お祭り行こうよ」などと言っている。しかし二人の顔は血だらけだ。「あれ、怪我したの?」

そうか、このまま、ただ怪我をしただけということにしておけば、子供たちとまだずっと一緒にいられるのではないか、と私は思った。成長はしないかもしれない、でも、私が、殺されたことを知っている私が黙っていれば。だって本人たちも気付いていない。私さえ黙っていれば、まだ、ずっと一緒に。



夢は以上。

この夢は、はっきり覚えていたから、簡単に書けると思って、書き始めてみたが、ダメだわ。涙が止まらない。なんか重苦しいから早めに次のこと考えよう、そうしよう。

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[生死は自認と他認により確定される]
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