Eljudnir ~エルヴィドネル
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指を切断しかけた話・2の続き。
結局いつも、記事のエントリー後に書き忘れたことを思い出すので、今回もそこから。
フランク先生(転院した後の男性初老医師をこう呼ぶことにする。フランクな話し方なので。)の行ったことで、ギブス外し以外にも助かったことがもう1つあった。それは毎日消毒。
前回は「毎日消毒しろって言われたのに、週一でいいのか?」と混乱したと書いたが、実際にそれは悩んだのだけど、毎日消毒は本当のところキツかったので精神的に助かった部分はあった。何故なら、ガーゼが怪我の患部に張り付いてしまうので、それを取るのが毎回痛いのである。自分で取るならシャワーをかけながらゆっくり取ることが出来るが(これは後で実体験したことだけど、温水をかけるとかけないではガーゼの張り付き具合がまったく違う)、病院では否応なしにバリッとはがされる。これが痛い。
あと、フランク先生のことをかばうわけではないのだが、「痛くないはず」と言ったのは見た目で私の怪我の状態が分からなかったからだろう、と記事に起こしてみてから初めて気付いた。前回私の怪我した部分を図示したと思うが、あれは(恐らく)間違っていて、怪我した部分から先の指の爪・骨間の肉は潰れていたのだと思う。図のようにスッパリ切れていたなら、確かにさほど痛みは長引かなかっただろう。初診の医師は、爪をめくって患部を直接見たりしたので「しばらく痛い」と思ったのではないか、と。実際、指の腹側は、切り傷のような跡が一本あるだけで、きれいなものだった。とはいえまぁ、プロならそれも見抜いてもらえるとありがたいのだが。
このあたり、病態保存のために写真は撮ってあるのだけど、グロ画像を公開することは本意でないので止めておきます(笑)。
5日目:痛み止めをくれない
さて、ここからは1日に詰め込まれる出来事が少なくなっていくので、サクサクと進めます。
フランク先生に診てもらった後、1週間後に行くことになったのだがその週の金曜日、ふと気付いた。1週間後は翌週の火曜日なのだが、この前日に現在処方されている痛み止め・抗生剤は切れてしまう。しかしその週は月曜が祝日で、つまり薬がない状態で1日過ごさなければいけない。痛み止めを飲まなかった時に滅茶苦茶痛い思いをしたので、軽く恐怖した。
というわけで金曜、早いけどもフランク先生の元へ。今度は開院前に着いたので、あまり待たなかった。
開口一番「どうしたの」。えぇと来てすみません…と思いつつ、痛み止めを飲まなかったら痛かったこと、今度の月曜で手持ちの薬が切れてしまうので処方して欲しいことを伝えた。すると先生「えー痛いの?感染してるのかなぁ」とドキッとすることを言う。包帯を取って、痛いっつーてるのに指先をムニムニ押しつつ膿が出てこないかを確認している模様。「大丈夫だと思うけどなぁ。痛いんなら市販の鎮痛薬でも飲んだらどう」。
というわけで、何も処方されずに、いたずらに患部を押されまくって帰らされた。
初診の病院が処方してくれた痛み止めは、処方箋用の強いロキソニン。市販薬を飲んでも痛かったら正直生活できないので、その日から痛み止めを市販薬に切り替えて試すことにした。ロキソニンは温存。どうしても痛ければ、フランク先生に強くお願いするか、初診病院に訴えるしかなかろう。
で、リングルアイビーのカプセルにしてみたところ、調子が良い。抗生剤はあきらめることとして、以降リングルでしのぐことにした。
ところでこの年、長男が5歳だったので七五三があった。着物を着たのだが、着付けの人に「すみません、ココ折れてるので」と言ったら袖通しの回数を減らせるよう色々工夫してくれた。ありがたい。写真にも指先包帯で残ってしまっている。
8日目:抗生剤終了
というわけで、この日で抗生剤が終了。同時に、リングル1日3回を、2回に減らしてみた。大丈夫そう。
翌日、週1回の消毒。異常なし。
11日目:痛み止め終了
そろそろ、と思って試しに痛み止めを止めてみた。すると、今回こそ本当に痛くない! いや厳密に言えば痛いのだけど、常にズキズキするわけじゃない。
良かった、良かった。
16日目:抜糸
さて、次の消毒の日。包帯を取る時、まだ痛そうにしている私にフランク先生は言った。「なに、痛いの?」常にズキズキするわけじゃないです、でも軽く当たっただけでも痛いです。「おかしいなーもう2週間でしょ?感染してるんじゃない?」。いや知らんよ!それは医師が判断してくれよ!と思った。なんかこの先生、患者に疑問形で話しかけるんだけどもフザけているのだろうか。真面目に質問してるわけじゃないよね?と思って、いつも反応に困る。
で、指をシゲシゲ眺めた後「抜糸しよっか。糸が痛いんじゃないかな」。…初診病院では抜糸4週間後と言われており、まだ半分しか経っていなかったが、患者の身分で反論するのもどうかと思って大人しく抜糸されることにした。
ナイロンっぽい糸を、ハサミでパチンと切る。切る瞬間、糸がつれて痛い。それを2ヶ所。次、ピンセットでピーと引っ張る。肉の中を何かが抜けていく感触。こういうの、慣れないよね。
痛みは残ったけども、糸がなくなったら確かにひっつれる感じがなくなって、ギブスを取った時のようにまた少し身軽になった。
ところで、この頃はもう11月半ばで、随分寒くなっていた。しかし、普通だったら手袋をするほど寒いわけではないのだけども、怪我をした左手だけミトン型の手袋をしていた。何故か異様に冷えるのである。指のあたりの血行が悪いせいなのか、左手だけ湯船に浸かれないせいなのかは分からないが、とにかく冷えた。
シャワーをしている間は左手首先をビニール袋に入れたけども、そんなわけで寒いので、洗面器にお湯を張って指先だけ濡れないようにして温めたりした。
で、抜糸した翌週、経過観察のため通院。まぁ異常なしでしょう、1ヶ月経っても治ってなかったらまた来てね。と言われて通院は一旦終了した。
31~44日目:治らない
その後は、家でガーゼを毎晩取り替えながら過ごした。縫った時の爪の穴が段々指先に押し出されてきて、爪は伸びてるなーというのが分かったが、一方爪内部の怪我(赤くなっている)は取り残されていた。いつまでも、爪の真ん中あたりまで赤いままである。
31日目のその晩、爪がちょっと伸びてきているのが気になった。普段なら切らない程度の長さだが、1,2mmでも当たると怖いので、引っかからないように切っておこうと思った。
で、爪先に爪切りを当ててパチン。衝撃がちょっと痛かったけど、まぁ大丈夫。そのままパチン、パチン、とやって最後まで行くと。
なんか液体が出てくる。爪の間から。
いやーな感じがしたが、特別臭くはない(この頃、膿だの怪我だのを調べまくって、化膿した時の膿は濁っていて臭い、怪我を治す過程で出てくる浸出液は透明で臭くない、というホントかどうか分からない知識を持っていたため)。まぁ怪我が治ってはいないのだし、浸出液かなと思うことにした。
翌週、36日目。爪を切ってからは特に何もなかったが、風呂上りの恒例ガーゼ巻きをしていた時のこと。
爪と指先の間に何かゴミが挟まっているように見えたので、取ろうとして引っかけた。
すると、ガバッとかさぶたが取れた。というか、その時初めて爪と指先の肉の間にかさぶたが出来ていたのを知った。ずっと、治る途中の皮膚かと思っていた。で、ガバッと取れたら。
膿がドワッと出てきた。
爪と肉をつなげていたものがなくなって、簡単にパカパカ開く。開くと中に赤い肉が見える。怖いので大きく開きはしなかったが、パカパカしても痛くないのが怖かった。痛くないってことは、くっついてないままなんだよね?
なんだろう…私別にホラー描写をしたいわけじゃないんだけども…。
ただ、「膿」と書いたけど、私は医師・看護士ではないので断定できない。臭くはないが、濁っていた。自分では判断できないので病院に行こうと思ったのだけど、フランク先生の顔が脳裏に浮かぶとブレーキがかかる。なんか結局、大したことないとか様子見とか言われ、薬はくれなかったりして、徒労に終わりそうだし。と、考えるのだが、患者にこういうことを考えさせる時点でダメだと個人的には思う。
このあたりで、1度目の限界を感じた。セカンドオピニオンという言葉がチラついた。
ただ、これはどんなことでもそうだと思うのだが、相手は医師であっても人間なのである。自分の言っていることを信じてもらえなかったら良い気分はしないだろう。また逆に、主治医を蹴って受診しに来るような患者の主張を真面目に聞いてくれるだろうか。「どうせ自分の意見も聞かないんだろ」とか思われたりしないだろうか。
そんなことをグルグル考えていたら、初診病院に「トラブル電話相談窓口」なるものがあるのを知った。これだ!と思って即電話。経緯を、なるべく客観的事実のみ伝える。で、最後に「結果として現在、転院先の医師を信用できなくて不安です」と伝えた。
医師に判断を仰いでから折り返します、とのことで、無料でやっている電話相談でこの神対応!と感動した。で、待つこと1時間くらい、折り返しの電話。「現在の主治医の指示に従ってください」。
…うん。だよね。私もそうじゃないかと思ってたんだ。実際、怪我を診察せずに言えることなんか何もないよね。
というわけで腹をくくり、約束の「1ヶ月後」が来るのを待ち。
44日目、「怪我から6週間経ったのに膿みたいなのが出るんですけど」と受診。フランク先生一言「感染してるね!」。
ちゃぶ台があったらひっくり返したい。
続く。次で最後かも。
<続く>[指を切断しかけた話・3]
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