物欲 妄想

　「物欲」の対義語ってなんだろうと思った。

　私が唯一思い浮かんだのは「知識欲」だ。しかし、物欲が「形のあるものを欲しがる」に対して、知識欲では「知識を欲しがる」と対象を限定し過ぎている。もっと広く「何かをやりたがる」という意味の言葉はないのだろうか。
　調べてみると、近いのはあるらしい。

　　耳目の欲：見たり、聞いたりしたがること
　　嗜欲：食べたり、見たり、聞いたりしたがること
　　（出典 → goo辞書）

　どちらも知らなかったが、なるほどと思った。「やりたがる」わけではないが、見たり聞いたりというのは広い意味で受け取ればやりたがるってことになると思う。体験したいってことだ。
　嗜欲の方はより分かりやすい。「タシナみたがる」わけだから。

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　何故そんなことを考えたのかというと、私の行動動機は大方において「やりたがる」欲だが、私の本質は物欲で出来ているなぁと思ったからだ。
　何かをやりたいと思って買ってきても、手元にあると満足し、結局なかなか着手しない。物を揃え安心して終わるという、愚かしい性質。
　具体的に言えば、FFTやりたい・PS2の画面をPC上に表示したい・このアーティストの曲を聴きたい・この本が読みたい・TRPGやりたい・インラインスケートやりたい・味噌汁の味噌カスをこしたい、と思い、PSPを買う・キャプチャボードを買う・CD全部集める・本を買う・大量のルールブック集める・スケート靴を買う・味噌こしお玉を買う、と散財するわけだが結局は、FFTにすぐには手をつけない・なかなかPCにインストールしない・CD開封しても聴き込まない・読む予定棚に積み上げる・把握し切れずに放置・もう1年以上やってない・味噌汁を作らない、という結果に終わる。イヤ終わらせたつもりはないんだけどむしろこれからの自分を信じたい（苦笑）。
　買ってから満喫するなら散財も良いかと思うが、無駄に買い散らかして手をつけないというのは非常に性質が悪い。せめて手をつける、なるべく満喫したいと思う。

　しかしよくよく考えてみたら、物欲な人々も、何かしたいわけでもないのに物を集めるわけじゃないよね？　もしそうなら、別に私が特に嗜欲が強いというわけでなく、そもそも人間の動機は嗜欲が基本なのかとも思った。